離婚することになったけど、一応話し合いだったし、特に慰謝料などの請求はしませんでした。
子供もいなかったから実質独身生活に戻るだけ。
帰る実家もあったし、またやり直せばいいと思っていました。
でも、学生時代から約6年間、当たり前のようにずっと一緒にいた人が急にいなくなったダメージは大きくて、しばらくは何もする気が起きないでいました。
こんな結果になってしまったけれど、自分の青春にずっといた人。
嫌いにはなれませんでした。
そして2ヵ月程経ったある日。ふと、
「今までの自分が絶対やらなかったことをしてやろう!」
と思い立ちました。
新婚旅行でハワイに行った時、アクティビティでスキューバダイビングをすることが出来ましたが、昔から水が苦手で大嫌いだったわたしは絶対いやだと言って避けたことを思い出しました。
変わりたい・・!
それから程なくしてスキューバダイビングのオープンウォーターを取りました。
水への恐怖心はずっとあり、ダイビング用の深水5mのプールは不安しかありませんでした。マスクを水中で脱着するのが恐怖でどうしても出来ず、その課題をクリアするまで半日もかかってしまいました。やっとクリア出来た時は、本当にうれしかったです。この時ばかりは感動して泣けました。考えたらそれまでの人生でこの時ほどこんなに頑張って何かをやり遂げたことは無かったなと思います。
無理だと思ったらすぐあきらめていたので。
このことは自分に取って、小さな自信になりました。
そしてジュエリーブランド店への就職も決まり、少しずつ前へ進み始めました。
そんなある日、別れた彼の同僚の奥さんから知らされたのです。
彼が同じ会社の女性と前から噂があったことを。
その人の名前は何度か聞いたことがあり。
同じグループの、○○さん、俺にお菓子を配るときに机に投げて来るんだよ~ひどいよな~って言っていた気がする。
後、休日に家に電話して来たことがあった。
会社でいつも一緒に行動している女性3人組のうちの一人だけど、彼が不在なのに突然家に遊びに行っていいですか~とその人以外の二人が来たことがあった。
あれは・・偵察だったの?
痩せたわたしの体重を当てたのは、浮気相手の○○さんの体型と比べていたから・・。
・・そうか・・。だからか・・。
慰謝料の取り決めもしていないのに、なぜか離婚してから一定の金額が毎月振り込まれていた。こういうことだったんだ・・。後でバレたときのことでも考えていたのかな。やましい思いがなければこんなことはしないよね。
わたしは世間知らずだったんだなぁ。
相手を信じ過ぎていたみたい。
それじゃぁ、知らなかったのはわたしだけだったってこと?
離婚の報告した時も、すでに奥さんたちは噂を知っていたようでした。
わたしが浮気されて別れるより恵まれているって言ってたから何も言えなかったと。
きっとわたしが傷つかないように黙っていてくれたんだと思う。
だけど・・やっぱりその時教えて欲しかったって思いました。
バカみたい。
このことはしばらく尾を引きました。
もし、そのことをリアルタイムで知っていたら、どうしていただろう。
けっこうドロドロだったんじゃないか。
ボロボロに傷ついていたかも。
戦うことも出来たかも知れない。
周りが良くも悪くも気を遣ってくれていたおかげでわたしは修羅場を経験することなく、鈍感力を発揮したまま離婚というイベントを終わらせてしまいました・・。
離婚から一年後、風の噂で彼が再婚したことを知りました。
それも出来ちゃった結婚。
子供嫌いって言ってたのにね。
この知らせを聞いて、本当に彼とは終わりました。